理事長所信


理事長 木村 有起

【はじめに】

一般社団法人斜里青年会議所は66年もの長きにわたり、脈々と受け継がれてきた輝かしい歴史と先輩諸氏の熱き思いを継承し、地域にさらなる発展をもたらすべく邁進してきた。昨年は新型コロナウイルス感染症によって、世界中で今までの日常が一変するような状況になり、現在も影響は続いている。青年会議所においても、事業やイベントが感染予防の観点から中止や方向転換を余儀なくされ運動に大きな打撃を受けた。しかし、この厳しい状況を逆にチャンスととらえ、ウィズコロナという新たな時代に歩みを進めていかなければならない。

【まちづくり~地域の活性化を目指す一歩~】

 昨年の休業要請、不要不急の外出や都道府県をまたぐ往来の自粛などにより、地域経済は大きなダメージを受けた。こういった状況下で我々斜里青年会議所に求められるものは、地域の新たな可能性を掘り出し、この地域を活性化させ、盛り上げる事業構築であると考える。すべてを自粛していては地域経済は崩壊してしまうため、新北海道スタイルを取り入れながら地域の賑わいを創出することが必要である。この地域を活性化させるためには、斜里青年会議所が先陣を切って地域住民を巻き込む運動を行っていくことが必要である。

この地域の課題として人口減少がある。少子高齢化、人口流出、晩婚化、出生率の低下等が要因となっており、その影響は地域経済を低迷させている。この課題に対しては、我々のような若い世代が中心となり、地域住民を巻き込む運動を展開していくことで、解決の糸口を探っていきたいと考える。それと同時に我々と同様に地域と向き合い、課題解決に取り組み、さらなる発展を目指す団体があり、近年は協働という形で取り組んできた事業もある。それぞれの手法や考え方に触れ、互いに刺激を受けながら地域の未来を考えていくことは、今年度においても継続することで持続可能な地域になると考える。

【ひとづくり~地域に愛されるリーダーへの一歩~】

我々JAYCEEは青年経済人であるとともに、全国・世界組織である青年会議所の一員としての意識と行動が求められる。また地域を牽引するリーダーになるためには地域との関わりを持ち運動することが大切である。そのためには地域の魅力を深く知ることで地域を想い、地域を語れる「地域愛」を会員に醸成し、地域の魅力を伝播することができる「地域に愛されるリーダー」となるべく活動を展開していくことが必要である。

そして新たに青年会議所に入会する仲間に対しては、青年会議所の三信条である修練・奉仕・友情を基に、1年間でより多くの経験を積み、個々のスキルアップにつなげ、組織の即戦力として育成していく必要がある。

青年会議所における三信条「修練」は事業計画の立案から始まり、議案作成、諸会議での意思決定、事業の実施、事業の反省点・課題など多岐にわたる。相手に想いを伝え、相手を説得し、協力を得るための総合トレーニングとなり青年会議所活動で得られるスケールメリットの1つである。そこで培われた力を地域社会に「奉仕」することが我々には求められ続けているはずだ。そしてその力を下支えするのが「友情」である。何かを成し遂げるには大きな壁が立ちはだかる場合もある。しかし一つのチームとして結束することで困難に立ち向かい何かを成し遂げる過程には必ず仲間との友情が育まれる。志を持ち挑戦する気概を持って立ち向かうことで組織の成長が生まれる。これは青年会議所活動の醍醐味であるとともに、人として生きていく上で基本となることであり、青年会議所の活動を通じて更にブラッシュアップしていく必要がある。そして本年度は地域との関わり・地域の魅力を語ることのできる会員としての研修も取り入れることで、運動・活動に携わる中で「地域に愛されるリーダー」となるべく経験を積んでいくことが必要である。

「地域に愛されるリーダー」は青年会議所以外の関わりも大切に考え、企業・家庭などからも愛される会員でなくてはならない。青年会議所運動は企業・家族の理解と協力があって成り立っている。日頃から運動を理解し支えしてくれている方々への感謝の意を忘れることなく、確かな形で示す必要がある。青年会議所運動・活動ができることは決して当たり前ではない。自身が置かれる「すべての環境」に感謝し運動を前に進めていきたいと考える。

【そしきづくり~円滑な運営と会員拡大推進への一歩~】

近年取り組んできた組織改革により、会員個々の能力をより引き出し、運動を展開する機運が高まっている。一人ひとりが共通認識を持って青年会議所運動に取り組むことによって、持続可能な組織となっていく必要がある。そのためには、近年取り組んでいる新しいテクノロジーを活用した運営、ウェブサイトやSNSなどを通じて発信する広報などを継続し、組織内外の情報を各会員へ伝達し、また、我々の運動を地域へ発信することで理解と協力を得るとともに、地域に必要とされる斜里青年会議所であり続ける。

会員減少は斜里青年会議所では大きな問題となっており、その問題に対する優先順位は非常に高いと考える。会員が減少すれば一人ひとりの負担が大きくなり、さらに会員が減少する悪循環が起こる。しかし、青年会議所には地域からの信頼とそれを得るに余りある実績があり、次世代につないでいかなければならない。5年後、10年後を見据え、青年会議所だからできる事業や得られるスキルをなどの利点を武器に会員拡大を行っていくことが必要である。

【65周年記念事業~未来へ向かう新たな一歩~】

昨年、斜里青年会議所は65周年を迎えることができた。これは、創立より先輩諸氏が築いてきた誇りを継承し、地域のために運動・活動を行ってきた歴史である。11月に記念式典を行い、そこで記念事業について発表した。それは、地域の未来を担う子供たちと特別保護地域に指定されている知床岬に行き自然体験を行うことである。昨年実施予定であったが計画段階で方向転換を余儀なくされてしまい、調査・研究する期間とし実行に移す準備を行ってきた。厳しい条件をクリアしなければ足を踏み入れることはできないが、実現させ自然体験を通じて地域の魅力を伝播し郷土に対する自信と誇りを醸成する。

【地域事業~協働しさらなる発展をもたらす一歩~】

我々斜里青年会議所は地域とのつながりを大切にし、貢献してきた自負がある。

この地域最大のイベントであり、弘前市から伝授された国の無形民俗文化財「ねぷた」は、昨年38回目を向かえる予定であったが、残念ながら中止となってしまった。斜里青年会議所は第一回から連続で出陣し、その歴史と思いを地域に発信し続けてきた。本年も、多くの人を巻き込んで運行を行っていきたいと考える。一昨年開催させていただいた「知床しゃり花火大会」も昨年は開催できなかったが、地域応援サプライズ花火という形式で斜里ウトロ同時打ち上げを行った。その反響は大きく、今年度も斜里、ウトロ両方での開催する方法を模索する。今年度から地域の他団体とともに実行委員会形式で事業構築を行い、地域住民へ思い出の一ページを届けたいと考える。昨年、斜里町役場、斜里町社会福祉協議会、斜里青年会議所と三者間で災害ボランティア活動に関する協定書を締結した。この協定は、災害時において効率的かつ効果的に災害ボランティア活動の支援を行うとともに、平常時から連携・協力し、防災意識の高揚と地域防災力の向上を図ることに関し、必要事項を定めたものである。今後もしっかりと運用していくためにも、関係団体とコミュニケーションをとり続ける必要がある。

このように、地域の期待と後押しが大きい事業は今後も継続し、さらに発展させていかなければならない。これらの取り組みは我々だけではなく、地域との協働をテーマに事業を成長させていくことこそが我々にできる運動であると考える。

【むすびに】

昨年、斜里青年会議所は中・長期ビジョンを作成した。これは、単年度制のデメリットである毎年の方向性が違うという声に対応し、未来へ向けて一貫性のある運動・活動を行う下地を整備した。ここで掲げた「すきなことができるまち」を目指し、地域に対し積極的にアプローチを行うことが、地域のさらなる発展につながると考える。はじめに述べた通り、以前の状態に戻ることは考えにくい。この転換期だからこそ、青年会議所が一丸となって積極的に運動・活動する姿を見せることで、コロナ禍でも安心して活動できる基盤をつくることができると考える。止まった場所から見える景色は限られているが、そこから一歩、また一歩と歩みを進めることで見える世界は広がってゆく。今できることを確実に行っていくことで、新しい可能性はどんどん広がっていき、そういうプロセスを積み重ねることで地域は活性化し、誇れる故郷をつくっていくことができると考える。

地域の可能性を信じ、我々にできること、求められていることを真剣に考え、未来に向けた新たな一歩を踏み出すことが「明るい豊かな社会」の実現につながると確信している。